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No. 24~大雪と断水と水道管~|弁護士のつぶやき|大分県中津市弁護士中山知康



先日の大雪では、私の住む中津でも記録的な大雪に見舞われました。私自身も、生れて初めてか、あるいはせいぜい子どものころに一回経験したくらいの大雪と積雪量でした。

 私の子どもたちは、生まれて初めて経験する大雪に興奮し、朝か
ら庭や裏のベランダに積もった雪で大きな雪だるまを作り、さらには、家の前の道路の雪まで使ってかまくら作りなどもしていました。それでも、たくさんの雪を使って雪だるまなどを作ったにもかかわらず、数時間もかからずにまた雪がどんどんと積もる状況に、子どもたちは興奮しっぱなしでした。

 子どもたちにしてみれば、ニュースなどでみる雪国の情景に、その大変さなどは分からずに、ただただ普段から憧れていたのでしょうし、大人の私にしても、積雪が日曜日だったこともあって、たまにはこのくらい雪が降っても楽しいかななんて、のんきに思ったりもしました。

 ただ、思わぬ大雪による翌日以降の断水や給水制限には、家族全員、驚き、不便さを痛感しました。幸い、私の家では水道管破裂はなく、断水には至りませんでしたが、市内各所で水道管が破裂した影響で、広範囲に断水が起こり、私の住む地域は給水制限となりました。

 普段から、朝起きれば当たり前のように水道の水で顔を洗い、場合によっては髪まで洗い(この寒い時期にはしませんが)、夕方も家に帰るとお風呂のスイッチを入れさえすれば後は自動的にお風呂が沸くという生活に慣れ切っていましたので、ちょっと水が出にくいというだけでも大変な不便さを感じました。ましてや、断水になっているところはどんなに大変だろうと、この時初めて水が普通に使える有難さがわかった気がします。

 しかし、この給水制限もわずか2日ほどで完全に復旧しましたので、以降は、以前と同じく、水が当たり前に使える便利な生活に戻りました。

 ただ、今回の経験で思い出し、考えたことがありました。それは、遠い国ではまだまだ水道などのインフラが整備されていない国や地域がたくさんあり、水質も衛生状態も悪いということもそうなのですが、もっと身近な問題としても、日本国内の水道管の老朽化というニュースをつい最近見たことを思い出したからです。

 今回の断水や給水制限は、突発的な大雪や寒波によって水道管が破裂したことによるものに過ぎません。しかし、現在、日本全国で水道管が老朽化しているにもかかわらず、人口減による水道料金の減少のため、更新もままならない状況となっているとのことです。水道管の耐用年数は40年、そして、その多くが1970年代までに敷設されたものであり、更新時期を迎えているにもかかわらず、予算不足で更新ができない自治体や地域が日本国内に既にたくさん存在するというのです。

 この問題は、本当に切実で、少子高齢化、人口減少という最近よく聞くキーワードによる、まさに現実的な、そして、切実な影響・現象だと思うのです。

 私はロータリークラブという奉仕団体の一つに入っており、そこで得た知識から、普段から、世界の水問題には全くの無関心というわけでもありませんでした。ただ、こんなに身近で、しかも、かなり近い将来の切実な水問題が存在するなどということはこれまで考えたこともありませんでした。

 今回、水が普通に使えることの有難さと、反面、水が出にくいだけでもかなりの不便を強いられるという経験をしましたが、それは、ある意味、将来、現実に起こりうる問題について、ほんの少しだけ経験させてもらえ、考える機会を与えられたのかもしれません。

 少子高齢化や人口減少の問題は、政府の問題というよりも、私たちが住む社会の問題として長期的に考え取り組む必要があると思いますが、それと同時に、社会を維持していくために、公共財整備の費用を誰がどう負担して、どのように維持していくかを考えなければならないのだと感じました。それは、政治家や官僚などの一部の人に任せる問題ではなく、まさしく、生活者である住民・国民みんなで考え、決めなければ、いつか取り返しのつかない事態になるのではないかと思った次第です。

(2016.2.2)