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ご存知の方も多いと思いますが、民法では、女性についてだけ6か月間の再婚禁止期間が定められています。
これについては、憲法違反ではないか、差別ではないか、あるいは6か月というのは長すぎるのではないかなどとの意見も多く、裁判にもなっていますが、これまでのところ、おおざっぱにまとめると、父性の推定の重複を避け、父子関係をめぐる紛争の予防を目的とする合理的な規定であると理由で、憲法違反との主張はしりぞけられています。要するに、離婚後に生まれた子どもの父親を誰と推定するか(嫡出推定といいます。)という問題のために、やむを得ないものと判断しているわけです。
2月19日の朝刊で、この判断を維持するか否かについて、最高裁が憲法判断を示すことになると報じられていましたが、純粋な憲法論に基づかなくても、心情的には、女性だけが半年間も再婚が許されず、男性は離婚後すぐにでも再婚できるというのは、やはりおかしいという気がします。
ところで、この再婚禁止期間とは直接関係しないものの、離婚に際して、離婚後○年間は再婚しないでほしいといった要求が出されることがあります。もっとも、離婚に際しては、むしろ、早く縁を切って自分の人生をやり直したいと考える方も多く、離婚後に相手方配偶者が何をするかなど考えもしないという、いわばさばさばした方もたくさんおられるのですが、中には、離婚後すぐに再婚されるのは嫌だと感じる方もいるようです。
とはいっても、仮に離婚後○年間再婚しないという条件を付けたとしても、このような条項は紳士条項といって、一般的には法的拘束力のないもの、つまり、違反したからといって慰謝料請求などはできないものと考えられていますので、いわば努力目標を定めるという意味に過ぎないのですが、それでもやはりこうした条項を付けたいという方もおられます。
また、離婚に限らず、様々な事件で、和解に際して、法的拘束力のない紳士条項を定めるということはよく行われています。
法的義務までは負わせられなくても、相手の誠意に期待したいという、いわば法では割り切れない、人間の心情なのかもしれません。 (2015.2.23)